「読書感想文、何を書けばいいかわからない…」
夏休みの宿題の中で、最後まで手つかずになりがちなのが読書感想文ではないでしょうか。本は読んだのに、いざ原稿用紙を前にすると鉛筆が止まってしまう——。我が家の息子(当時小学3年生)もまさにそのタイプでした。
読んだ本は「小さなバイキングビッケ」。頭のキレる少年ビッケが、小さな身体にもかかわらず勇敢なバイキングの大人たちに混じって機転を利かせるという冒険物語です。
「面白かった」は言えるのに、それを作文にできない。この壁を越えるために私が取り入れたのが、マインドマップを使った「感想の見える化」でした。
実はこのアプローチ、普段プログラミングを教えている中で使っている「まず設計図を描いてからコードを書く」という考え方と全く同じなんです。
✏️ なぜ「あらすじの羅列」になってしまうのか?
小学3年生くらいになると、単なるあらすじの羅列から一歩進んで、自分の体験や考えを織り交ぜた感想文に挑戦できる段階に入ります。
ただし、「自分の気持ちを書きなさい」と言うだけでは子どもは困ってしまいます。これはプログラミング教育でも同じで、「自由に作っていいよ」と言われると逆に手が止まるんですよね。大切なのは、「何を書けばいいか」を具体的な質問で引き出してあげること——つまり、問題を小さく分割することです。
🗺️ マインドマップで「感想の骨子」を作る3ステップ
私が参考にしたのは、小学生向けの読書感想文用リーフレットです。そこに書かれた項目を、以前から子どもとよく使っているマインドマップの形式で整理していくことにしました。

プログラミングでも、いきなりコードを書かずに「フローチャート」や「設計図」を描いてから始めるのが鉄則。読書感想文もまったく同じで、いきなり原稿用紙に向かうのではなく、まず「頭の中の地図」を描くことが成功のカギです。
親子で物語について会話しながら、紙にメモを取っていきます。
ステップ1:心に残った場面を掘り下げる
- 一番心に残った場面はどこ?
物語全体の中で、強く印象に残ったシーンを1つ選ばせます。 - その場面で特に印象に残った行動や言葉は?
登場人物の具体的なセリフや行動を思い出させます。 - なぜそれが心に残ったの?
理由を言葉にすることで「感想」の種ができます。
ステップ2:登場人物と「自分」を比べる
- 特に心に残った登場人物は誰?
- その人と自分(またはお友達)で、似ているところは?
- 逆に、違うところは?
「自分との比較」が入ることで、感想文は一気に”自分だけの作文“になります。ビッケの場合、息子は「大人顔負けの賢さがあるのに、全然えらそうにしない」という点に惹かれたようです。
ステップ3:作者が伝えたかったことを考える
- この本を通じて、作者が一番言いたかったことは何だと思う?
- なぜそう思う?
ここまで来ると、マインドマップのメモはかなり充実しているはずです。この3つのステップで、「あらすじの要約」ではない、自分の言葉で語る感想文の骨子が完成します。
プログラミングの世界で言えば、これは「要件定義」が終わった状態。何を作るか(=何を書くか)が明確になれば、あとは組み立てるだけです。
📝 タイトルと構成を組み立てる
感想文のタイトルは「○○を読んで」から卒業しよう
メモを眺めながらタイトルを考えます。「小さなバイキングビッケを読んで」のようなありきたりなタイトルは避けましょう。
息子の場合、マインドマップを見返すと、「賢いのに傲慢さがなく素直なビッケ」という点が一番印象的だったようで、タイトルは…
「素直でひかえめなビッケ」
と決まりました。感想の核心をつかんでいると、タイトルはあっさり浮かびます。
書き出しから結びまでの流れ
タイトルが決まると、全体の構成も見えてきます。
- 書き出し:ビッケの紹介(どんな少年か)
- 展開1:「ある日…」→ 印象に残った場面の描写
- 展開2:自分やお友達との比較
- 結び:作者が伝えたかったこと + 自分が学んだこと
作文用紙に書く前に、一度ノートに下書きをすると安心です。誤字脱字、カギカッコの使い方などをチェックしながら、文全体の流れを確認しましょう。
💡 講師からのアドバイス:書けないときの「デバッグ思考」
プログラミングでコードが動かないとき、私たちは「デバッグ」をします。エラーの原因を一つずつ確認し、仮説を立てて修正していく作業です。
読書感想文も同じ。下書きの途中で鉛筆が止まってしまったら、以下の質問で「どこで詰まっているか」を特定してみてください。
- 心に残った場面をもう一つ思い出せる?
- 登場人物の行動や考えをどう思った?
- この本で新しく知ったことや発見はあった?
- 不思議に感じたことや、新しい疑問は浮かんだ?
- 自分の周りのことと比べて、似ているところや違いはある?
文のつなぎ部分でつまずくときは、最初から声に出して読ませてみるのも効果的です。文章の流れの中で、自然と「次に何を書けばいいか」が見えてきます。
🎁 まとめ:4日間の「伴走」で見えた成長
我が家の場合、この方法で読書感想文を仕上げるまでに4日ほどかかりました。決して速くはありませんが、「書け」と言って放っておいたら、きっとあらすじを並べただけの作文で終わっていたでしょう。
大切なのは、親が「伴走者」として一緒に考えること。
- 本の内容について対話する(=要件を整理する)
- マインドマップで頭の中を整理する(=設計図を描く)
- 質問で「感想の種」を引き出す(=テストケースを考える)
実はこのプロセス、プログラミングの開発手順そのものなんです。「考えを整理し → 構造化し → アウトプットする」という流れは、感想文でもコードでもプレゼンでも共通する「思考の型」。
読書感想文で身につけたこの力は、将来お子さんがプログラミングに挑戦するときにも、必ず活きてきます。高学年に向けて、少しずつ「自分の考えを言葉にする」練習を積んでいきましょう。

