「プログラミングが身につかない」
「独学だと伸びない気がする」
そんな声を、これまで何度も聞いてきました。
同じ授業を受け、同じ教材を使い、同じコードを書いているのに、数か月後にははっきりと差が出てきます。
その差は、才能でしょうか。
理解の速さでしょうか。
教えている立場から見ると、少し違います。
差になるのは、エラーと向き合った時間です。
「理解しているつもり」の正体
授業中は、説明を聞きながらコードを書きます。
その通りに入力すれば、ちゃんと動く。
「なるほど」と思える瞬間もある。
けれど、それはまだ“理解した”とは少し違います。
それは、再現できただけの状態かもしれません。
本当に身につくとは、
何も見ずに一から書けること。
少し形を変えても応用できること。
一人になったときに、同じものを再現できるか。
そこから始めると、多くの人は思い知ります。
「あれ、意外と書けない」と。
それは失敗ではなく、現在地が見えただけです。
伸びる人がこっそりやっている、シンプルなこと
伸びる人は、特別な勉強法をしているわけではありません。
- 変数名を変えてみる
- 少し機能を足してみる
- 自分なりにアレンジしてみる
独学であっても、講座受講中であっても、やることは同じです。
そして、だいたいエラーが出ます。
「プログラミングはエラーが多い」と感じるのは自然なことです。
けれど実際の原因は、意外と地味です。
- スペルミス
- 記号の打ち間違い
- 半角と全角の違い
- 空白の抜け
派手なバグより、こうした小さなミスのほうが圧倒的に多い。
ここで粘れるかどうかが、ひとつの分かれ道になります。
エラーの前で、止まる人と進む人
エラーが出た瞬間、多くの人は戸惑います。
そして、手が止まります。
「やっぱり向いていないのでは」と思うこともあるでしょう。
でも、伸びない人と伸びる人の差は、ここで決まります。
伸びる人は、エラーを「向いてないのかも」と思う理由にしません。
ただのヒントとして受け取ります。
いろいろ触っているうちに、
どこを直したかわからなくなることもあります。
それも普通です。
戻ればいい。
戻れないなら、保存の仕方を見直せばいい。
学んでいるのは、コードだけではありません。
問題の解き方そのものです。
コードを見比べる時間は、無駄ではない
目を皿のようにして、コードを見比べる。
間違いを探す作業は、思った以上に時間がかかります。
けれどそれは、集中力が足りないからではありません。
人の脳は、細かい差異を見つけるのが得意ではないのです。
間違い探しと同じです。
少しゲームのように取り組んだほうが、うまくいきます。
この時間こそが、
「プログラミングが身につく」時間です。
プロとの違いは、能力ではない
間違えるのは、初心者もプロも同じです。
違うのは、エラーが出たときに
- どこから確認するか
- 何を疑うか
- どんな順番で切り分けるか
その道筋が浮かぶかどうか。
プロがすごいのは、正解を知っているからではなく、
手が止まらないからです。
そこを鍛えていくことが、学習の本筋です。
もし「伸びない」と感じているなら
プログラミングが身につかないと感じるとき、
多くの場合、足りないのは才能ではありません。
エラーと格闘した時間です。
一人になったときに、もう一度書いてみる。
少しだけ形を変えてみる。
うまくいかなくても、もう一回だけ試してみる。
派手なコツはありません。
けれど、この積み重ねは確実に差になります。
プログラミングは、
「わかった瞬間」に身につくのではありません。
エラーと向き合った時間の分だけ、
静かに、自分の力になっていきます。
もし今、うまくいかなくても。
それは伸びないのではなく、
まだ途中にいるだけです。
焦らなくていい。
エラーに出会った数だけ、
あなたは前に進んでいます。
