日能研のディスカバリークラブで行われているロボット教室へ親子で行ってきました。
講師の先生は「子どもの理科離れをなくす会」代表の北原達正先生。
元京都大学講師でもある先生は、 子どもたち向けに科学教室やロボット研究室を各地で開催し、 ロボカップジュニアなど世界で活躍する子供たちをたくさん育てています。
講座では、ロボット製作やプログラミングだけでなく、 子供たちに将来必要となってくる人とのコミニケーションや論理思考、 国際感覚などにも重きを置き、低学年であっても時には厳しく指導してくれる 現代版寺子屋のような印象です。
ロボット教室
教室では初対面の隣同士がパートナーとなり作業を進めます。
「まずは挨拶、目と目を合わせて自分の名前を言って挨拶しましょう」
みんなの挨拶が終わると先生は、
「はい、隣のお友達の名前覚えている人!」
半分くらい手をあげていたようですが、
うちの子の手は..見えません。
「覚えてない人は、もう相手にされません」
小2~3の子供たちの目を覚ますような言葉です。
ディスカバリークラブの講座では、
子どもの受講の様子を保護者が後ろで見学することが出来ます。
3時間の受講中、退席は自由ですが時々保護者向けに北原先生の解説が入ります。
このお話、これからの子育てに必要なヒントがたくさん詰まっていて大変為になりました。
自己解決力を鍛える
国際試合では、小学低学年の子供に現役大学生が負けることもあるそうです。
ただし、たとえ小学2年生の子どもでも、試合に1分でも遅れてしまったり、試合中手助けをすると即失格となるので、 自分で解決する力は必須になってくるのだとか。
プログラム表を見て、いつ、どこで自分の試合が行われるのかチェックする力も必要になって来るといいます。
現在小2のうちの子どものことを考えると、 まず試合開始までにはたどり着けないかもしれないな..と思ってしまいますが、 こういった自己解決力って鍛えなければ大人になっても同じような気がします。
先生は、
知識だけでなくこういう総合力を小さいうちから養う必要があると話されていました。
国際大会に低学年の子どもが出場してきた場合、 やはり大人が手助けをしてるのではないかと疑われてしまうようで、 競技前に事前審査が入るそうです。
見上げるような大きな外国人の審判が子どもを前にして英語でプログラミングについて質問をしてきても、 怖気づかず英語で答える気力も必要です。
自力で行っていれば当然わかるような質問なのですが、親にやってもらっていたり、わかっていても何も答えられなかったりすると、その場で失格となってしまいます。
ただ、ここまで勝ち登ってくる子供たちは、たとえ小2の子どもでもスルスルと答えて競技にも勝利するというから 凄いです。
コミニケーション力
国際大会の競技は他国とチームを組んで2対2で行われ、言葉の分からない者同士が協力して競技に臨むことになります。
チーム編成は、競技当日発表されるので当然初対面です。
挨拶を交わし、作戦を組んで勝利を目指すというコミニケーション力が マシンの性能以上に大きな鍵となるようです。
はじめて会った他国の人と、お互いの持ち味を伝え合いながら協力していくなんてなかなか出来ない経験です。
一度聞いた相手の名前を覚えるのもそうですが、主だった言語の挨拶ぐらい覚えておくといった事前準備も必要なのかもしれません。
日本の子供たちに必要なもの
そんな国際大会に子供たちを繰り出している先生から見て日本の子供たちは、
「もっと自分を前に出すことが必要なのでは」
と話されていました。
大会ではチーム編成が決まると、まず代表者を決めなければなりません。
そんな時、どうも日本人は「私がやります!」と前に出ないようです。
「それではあまりにもったいない・・」と。
アジア地域や欧米の選手たちは、日本以上に過酷な環境の中から出場してきているので 気迫が違うそうです。大事な試合の主導権をそうやすやす他人に譲ったりはしません。
日本人の絡んでいないチームでは
「私が!」「いや、私が!」
となるみたいですが、 日本チームは簡単にリーダーを譲ってしまうのだそうです。
日本の子供たちは幼い頃から、
「譲り合え!」
と教えられてきてるから致し方無い気もします。
でも、他のみんなはリーダーがどれほど重要かをよく知っています。
もし優勝したら、インタビューされるのも名前が出るのも1番になり そのことでチャンスが広がることを心得ています。
日本人は気持ちをおもてに表さないとよく言われていますが、 ここ一番は一歩前に出ることも大切なんですよね。
その他、先生のお話で印象に残っているのは、何か大きなことを成し遂げてきた人たちはみんな、小学2~3年から中学くらいまでの時期、 何かにハマっていたり集中していた、というお話し。
スポーツ選手にしても科学者にしても学校とは別に好きな事に打ち込む物を持っていたということです。
将来、ロボット技術者にならなくても、プログラマーを目指さなくても、
今、夢中になれそうなものとしてこのロボット教室は将来に繋がるなにかしらの経験になるかもしれません。
このロボカップジュニアは競技人口もまだまだそんなに多くないそうなので、ちょっと頑張れば小学生でさえ日本代表も夢ではないみたいです。
届きそうな夢っていうのが良いですね。
子どものうちからこんな風に国際感覚を鍛えられるものってそうないでしょう。
どうやら、子どもも続けてみたいと言っているので、親子でプログラミングにハマってみてもいいかな、なんて思っています。