パソコン初心者の質問の仕方|「うまく伝えられない」は3つで変わる

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「先生、できません」「なんか動かなくなりました」

パソコンやプログラミングを教えていると、こんな質問をよく受けます。

もちろん、質問している本人は一生懸命です。でも「できません」だけでは、何をして、何が起きたのかがわからず、教える側もすぐには原因を探せません。

これは質問が下手なのではなく、パソコン初心者なら「何を伝えればいいのか」がまだわからないだけです。

そんなときは、まず3つ。

質問するときは、まずこの3つを伝えてみましょう。

  • 何をしたのか
  • どうなったのか
  • どうしたいのか

これだけで質問はずっと伝わりやすくなります。

そして実は、この3つを考える習慣には、質問が上手になる以上のメリットがあります。

まずは「3つ」だけ伝えてみよう

パソコンについて質問するとき、最初から専門用語を使う必要はありません。

パソコンの機種名やOS、ソフトのバージョンなど、詳しい情報が必要になる場合もありますが、それは質問を受けた人から聞かれてからでも大丈夫です。

初心者なら、まず次の3つを意識してみてください。

1.何をしたのか

最初に伝えたいのは、自分が何をしようとして、どんな操作をしたのかです。

たとえば、

「Excelがおかしいです」

だけではなく、

「Excelで作った表を印刷しようとしました」

と伝えます。

これだけで、質問を受けた人は「Excelそのものが起動しないわけではなく、印刷するときに問題が起きたんだな」と判断できます。

難しく説明する必要はありません。

自分がやったことを、そのまま話せば大丈夫です。

2.どうなったのか

次は、操作した結果、実際に何が起きたのかを伝えます。

「印刷できませんでした」

よりも、

「印刷したら、表の右側が切れてしまいました」

のほうが状況はずっと伝わります。

エラーメッセージが表示された場合も同じです。

意味がわからなくても構いません。

エラーメッセージは、そのまま伝えるのがおすすめです。

自分なりに意味を言い換えるよりも、画面に表示された文章をそのまま見せたり伝えたりしたほうが、原因を探す大きなヒントになることがあります。

3.どうしたいのか

そして、意外と忘れやすいのが、

「本当はどうしたいのか」

です。

先ほどのExcelなら、

「表全体を1枚の紙に収めて印刷したいです」

となります。

これはとても大切です。

パソコンでは、「今起きている問題を直すこと」と「最終的にやりたいこと」が、必ずしも同じではないからです。

ゴールがわかれば、質問を受けた人から、

「それなら、この方法のほうが簡単ですよ」

と別の解決方法を教えてもらえることもあります。

「できません」だけだと、何がわからない?

3つをまとめると、こんな違いになります。

息子

「Excelの印刷ができません」

これだけでは、何ができないのかがよくわかりません。

そこで3つに分けます。

何をした?
Excelで作った表を印刷しました。

どうなった?
表の右側が切れてしまいました。

どうしたい?
表全体を1枚の紙に収めたいです。

これをつなげれば、

「Excelで作った表を印刷したら、右側が切れてしまいました。表全体を1枚の紙に収めて印刷したいです」

となります。

専門用語は一つも使っていません。

それでも、最初の「できません」と比べれば、状況はかなり伝わるようになりました。

質問が上手な人というと、「パソコンに詳しい人」「説明が上手な人」というイメージがあるかもしれません。

でも、最初はそんな必要はありません。

何をした → どうなった → どうしたい

まずは、この順番を思い出すだけでも十分です。

慣れてきたら「試したこと」も伝えてみよう

3つに慣れてきたら、もう一つ加えられる情報があります。

それが、

「自分で試したこと」

です。

たとえば、

「表が切れたので、用紙を横向きにしてみました。でも、まだ右側が切れています」

ここまで伝えられれば、質問を受ける側はさらに原因を探しやすくなります。

ただし、パソコン初心者なら、最初からここまでできなくてもまったく問題ありません。

そもそも、

「何を試したらいいのかわからないから質問している」

ということもあります。

まずは3つ。慣れてきたら「試したこと」も加えてみましょう。

最初から完璧な質問を作ろうとしなくても大丈夫です。

あれ? 質問を考えていたら自分で解決した?

ここからが、質問のちょっと面白いところです。

誰かに質問しようと思って、

「何をしたんだっけ?」

「その結果、どうなった?」

「自分は本当はどうしたい?」

と順番に考えていると、途中でこんなことが起こります。

「あれ? ここまではちゃんと動いていたな」

「ということは、この操作をした後からおかしくなったのかな?」

そして、

「ちょっとここを確認してみよう」

と試したら、自分で解決してしまうことがあります。

質問するために状況を整理していただけなのに、答えに近づいてしまったわけです。

質問するために状況を整理すること自体が、問題解決の第一歩になります。

原因がわからない? そんなときは「切り分け」てみよう

パソコンの問題を解決するときに覚えておくと役立つ考え方があります。

それが「切り分け」です。

少し難しそうな言葉ですが、考え方はシンプルです。

たとえば、「インターネットが見られない」という問題が起きたとします。

原因としては、

  • パソコンに問題がある
  • Wi-Fiにつながっていない
  • ブラウザに問題がある
  • そのWebサイトだけが見られない
  • インターネット回線そのものに問題がある

など、いろいろ考えられます。

そこで、一つずつ確認します。

  • ほかのWebサイトは見られるのか
  • 別のブラウザならどうなのか
  • 同じWi-Fiにつないだスマートフォンでは見られるのか

こうして可能性を一つずつ調べて、原因の範囲を狭くしていくのが「切り分け」です。

早く直したくても、あれこれ一度に触らない

初心者の人を見ていると、問題が起きたときに、早く直そうとしていろいろなところを触ってしまうことがあります。

気持ちはよくわかります。

Aを変えて、Bも変えて、Cも変えて……。

そして、なぜか直った。

「やった!」

となるのですが、実は困ったことが残っています。

結局、何が原因だったのかわかりません。

さらに直らなかった場合は、最初とは違う設定まで混ざってしまい、問題がもっと複雑になることもあります。

一つ変えたら、一度確認する。

一見すると遠回りですが、一つずつ原因を切り分けたほうが、結果的には解決への近道になります。

急いでいるときほど一つずつ。

これはパソコンに慣れてきても、かなり大切な考え方です。

「こんなこと聞いていいのかな?」と思ったら

「こんなことを聞いたら、笑われるかな」

「先生の前に行くと、何を言えばいいかわからなくなる」

そんな人もいると思います。

子どもなら、なおさらです。

家では話せるのに、先生を前にすると言葉が出てこないこともあります。

そんなとき、最初からきれいな文章で説明する必要はありません。

まず、

何をした? どうなった? どうしたい?

一つずつ考えてみればいいのです。

全部わからなくても構いません。

「ここまではわかるけど、その先がわかりません」

これだって立派な質問です。

むしろ、「どこからわからなくなったのか」がわかれば、教える側にとっては大きな手がかりになります。

質問は、わからないことを隠すためのものではありません。

わからない場所を一緒に見つけるためのものです。

聞ける人が近くにいない? 今はAIにも聞ける

少し前まで、パソコンで困ったときには、

「家族に詳しい人がいない」

「近くに聞ける人がいない」

というだけで、問題解決のハードルがかなり上がりました。

でも今は違います。

ChatGPTなどのAIを使えば、家にいながら質問できます。

夜でも休日でも、「ちょっと教えて」と相談できる相手がいる。

パソコン初心者にとって、これはかなり大きな変化だと思います。

ただし、AIも魔法使いではありません。

「パソコンが動きません。どうしたらいいですか?」

と聞かれても、AIにはこちらの画面も、それまで何をしていたのかも見えていません。

そこで役に立つのが、ここまで使ってきた3つです。

3つのポイント

たとえば、

「Windowsのパソコンで写真をメールに添付しようとしました。写真を選んだら容量が大きすぎるという表示が出ました。写真を相手にメールで送りたいです」

と伝えれば、AIも状況に合った方法を提案しやすくなります。

人に質問するときに身につけた力が、そのままAIを使う力にもなるのです。

質問できる人は、自分で解決できる人になっていく

最初は、

「困ったとき、先生にうまく質問できるようになりたい」

それだけでいいと思います。

まず覚えるのは3つです。

何をした。
どうなった。
どうしたい。

慣れてきたら、

何を試したのか

も加えてみる。

さらに、原因を一つずつ切り分けることを覚える。

これを繰り返していると、少しずつ変化が起こります。

誰かに質問する前に、自分で状況を整理するようになります。

「ここまでは動いている」

「ここからおかしい」

「じゃあ、原因はこの辺かな」

そんなふうに考えられるようになると、以前ならすぐ誰かに聞いていた問題を、自分で解決できることが増えてきます。

つまり、質問が上手になることそのものがゴールではありません。

質問の仕方を覚えることは、自分で考えて問題を解決するための練習でもあるのです。

そしてAIが身近になった今、この力は以前よりずっと使いやすくなりました。

難しいプロンプトをたくさん暗記するよりも、

自分は何をして、何が起きて、どうしたいのか。

まず、それを整理して伝えられること。

人に質問するときにも、AIに相談するときにも、そして自分自身で問題を解決するときにも役立つ、基本の力だと思います。

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