長く使ったキーボードを新しいものに買い替えたら、なぜか以前よりタイプミスが増えました。
新しいキーボードが使いにくいわけではありません。むしろ、今回は静音性を重視して選んだので、打っているときの音はとても静か。そこは気に入っています。
それなのに、半年ほど使った今でもキーボードに手を置いて最初の数文字を打つと、意味不明な文字が並ぶことがよくあります。
最初は「キーの間隔が違うのかな?」と思ったのですが、調べてみると以前のキーボードも新しいキーボードも、キーピッチは同じ19mm。
そこで気づいたのが、長年続けてきたタッチタイピングでは、頭で思っている以上に「手がキーボードを覚えている」ということでした。
静音キーボードに買い替えたら、タイプミスが増えた
以前使っていたのは、LogicoolのK120という有線キーボードです。
購入履歴を確認すると、10年近く使っていたようです。
長く使っているうちに、よく触るキーの文字が少しずつ剥がれて見えにくくなってきました。
「そろそろ買い替えかな」と思い、次に選んだのがBUFFALOの静音キーボード「BSKBU345BK」です。

どちらもゲーミング用の高級キーボードではなく、普段使い向けの手頃なモデルです。
今回、特に優先したのは静音性でした。
夜にパソコンを使うこともありますし、カチャカチャという入力音は静かなほうが快適です。
以前のキーボードも比較的静かだと感じていましたが、新しいものに替えるとさらに静か。キーを押したときの音もやさしく、ここはかなり気に入っています。
ところが、使い始めてすぐ別の変化に気づきました。
タイプミスが明らかに増えたんです。
しかも、半年ほど使った今でもほぼ毎日。一日に何度もあります。
半年たっても「最初の手の位置」だけ慣れない
不思議なのは、ずっとタイプミスをしているわけではないことです。
一番ミスが起こるのは、文章を書き始める瞬間。
キーボードに両手をポンと置いて、そのまま何文字か打ち始めます。
タッチタイピングに慣れていると、「人差し指をここに置いて、小指はここ」と一つずつ確認してから入力することはありません。
ほとんど無意識です。
ところが、新しいキーボードでは、その無意識に置いた手の位置が微妙にずれていることがあります。
そのままポンポンと数文字打って、画面を見る。
すると、まったく意味の分からない文字が並んでいます。
そこでようやく、
「あっ、手の位置がずれてる」
と気づいて置き直します。

一度位置を合わせてしまえば、そのあとは普通に入力できます。ミスもたまにある程度で、それほど気になりません。
つまり、半年使っても慣れないのは、タイピングそのものというより「最初に手を置く定位置」なんです。
買い替えを考えてしまうくらいなので、僕にとっては「ちょっと気になる」より一段上の違和感になっています。
キーピッチは同じ19mm。それでも打ちやすさは違った
最初に疑ったのは、キーの間隔でした。
そこで仕様を調べてみると、以前使っていたLogicool K120も、新しいBUFFALO BSKBU345BKも、キーピッチは19mmです。
K120のキーストロークは2.8mm、新しいキーボードは3mm。少し違いはありますが、キーピッチそのものは同じでした。
ここで知っておきたいのが、キーピッチ19mmという数字は「キーそのものの横幅が19mm」という意味ではないことです。
隣り合うキーの中心から中心までの距離を表しています。
実際の打ちやすさには、キーの形や高さ、表面の形、傾斜、沈み方など、数字だけでは分からない要素もあります。
残念ながら以前のキーボードはすでに処分してしまったので、「ここが何mm違う」と実測して比較することはできません。
そのため、今回のタイプミスの原因がどこにあるのかを一つに特定することもできません。
ただ、実際に半年使ってみて分かったことがあります。
スペック表で同じ19mmでも、手が感じる「いつもの場所」まで同じとは限らない。
これは買う前には、ほとんど考えていませんでした。
タッチタイピングは、思っている以上に手が覚えている
今回の買い替えで一番意外だったのは、新しいキーボードよりも自分の手でした。
10年近く同じキーボードを使っていると、キーの位置を頭で覚えているというより、手そのものが覚えているようです。
頭では、新しいキーボードになったことを分かっています。
でも文章を書き始める瞬間は、そんなことを考えていません。
頭より先に、手が仕事を始めます。
そして僕の場合、その手はいまだに以前のキーボードの位置を基準に動こうとする。
少し今風の例にすると、スマホを買い替えたときのフリック入力にも似ています。
画面の大きさや文字キーの表示が変わると、いつもの感覚で指を動かしたはずなのに、最初のうちは違う文字を押してしまうことがあります。
キーボードも同じで、慣れてくると「キーを探して押す」操作から、指が位置を覚えて動く操作へ変わっていくのでしょう。
タッチタイピングを始めたばかりのころには、あまり感じないことかもしれません。
でも続けていくと、キーボードの位置はここまで身体に染み込んでいく。
今回、自分の意味不明な打ち出し文字を見ながら、それを実感しました。
キーボードを買い替えるときに確認したいこと
今回、静音性を優先してキーボードを選んだこと自体は後悔していません。
入力音はかなり静かになりましたし、普通にタイピングしているときは気持ちよく使えています。
ただ、次にキーボードを買い替えるときは、選び方を少し変えると思います。
今使っているキーボードに不満がなければ、同じメーカーや近いシリーズから探すのも一つの方法です。
もちろん、同じメーカーでもモデルや発売時期が変われば、キーの形や打鍵感が同じとは限りません。
だから次は、スペック表だけで決めず、できれば実物も触ってみたい。
もしかすると物差しを持って電気屋さんへ行くかもしれません(笑)。
「高いキーボードなら打ちやすい」と聞くこともあります。
でも今回の経験で、僕は値段とは別のところも気にするようになりました。
今まで使っていたキーボードに、自分の手がどれくらい慣れているか。
キーボードを買い替えるときには、こういう問題が起こることを知っておくだけでも、選び方は少し変わると思います。
まとめ
今回キーボードを買い替えてみて、意外だったのは「新しいキーボード」よりも、自分の手のほうでした。
10年近く同じ道具を使っていると、キーの位置を頭で覚えているというより、手そのものが覚えている。だから、スペック上は大きな違いがなくても、わずかな感覚の違いが思った以上に気になることがあります。
今使っている静音キーボードは、音がやさしく、その点ではかなり気に入っています。それでも次に買い替えるときは、静音性や値段だけでなく、今使っているキーボードとの違いも少し気にすると思います。
キーボード選びでは、
「今まで何を使っていたか」
も、一つのスペックとして考えてみる。
今回いちばん実感したのは、そんなことでした。
