みぞおちの上あたりの部分が焼けたように熱く感じたり、酸っぱいものが上がってくるような胸焼けは胃酸過多によっておこります。
消化に必要な胃酸が多くなりすぎて起きている状態ですが、暴飲暴食、アルコール、刺激の強い食べ物、カフェインの取りすぎなどが主な原因と言われています。
特にアルコールは直接胃壁に触れるだけでもすぐに炎症を起こすそうです。
その他、必要以上に消化の必要な食べ物を胃に入れるとその分胃酸も多く分泌されることになるので胃壁を傷つけやすくしてしまいます。その上、コーヒーや緑茶などを飲んでしまうと、更に胃酸が出やすい状態を作り胃の中のバランスが大きく崩れることになってしまいます。
暴飲暴食はしていないつもりでも、油ものやスパイスの効いた肉料理などを数日食べ続け、同時に緑茶やコーヒーを飲み続けたりが重なって胸焼けを起こすこともあるようですね。
ひどい時には出すぎた胃酸が食道に逆流し炎症を引き起こしてしまったり、みぞおちの上辺りに焼けるような痛みが走ることもあります。
この胸焼けが慢性化すると逆流性食道炎となってしまいます。
喉の奥が痛くなるやつです。
胸焼けを感じたら
主治医が見つかる診療所、胃の専門医掛谷医師のアドバイスです。
胸焼けが起こった時、とっさにできることは常温の水を1杯用意して飲むことです。
水を飲むことによって出過ぎた胃酸が薄められて10分ほどで胸焼けが軽くなります。
ただし、すでに胸焼けによって粘膜が傷ついている可能性があるので、不調を感じたら胃の粘膜が再生するまでの間約三日間、しばらくはお湯やお粥、うどんなどで胃の負担を軽くしておいたほうが良いそうです。
柑橘ジュースやコーヒーは胃酸過多には逆効果
飲み物なら何でも良いというわけではなく柑橘系のジュースやコーヒーなどは控えたほうが良さそうです。柑橘系のオレンジジュースなどは逆に胃酸の分泌が増すことになります。コーヒーも同様に胃酸がたくさん出てしまいます。
その他にも胃酸を過剰に分泌させるものとしては、アルコール類、紅茶や緑茶などカフェインを含んだ飲み物。これらの飲み物には胃酸の分泌を促す作用があるので、胃酸過多による 胸焼けを感じたときには飲まないのが賢明です。
胃の不調、胃酸過少と胃酸過多はどう見分ける?
前出の医師によると、胃がグルグルと動くように感じたり、酸っぱい胃液が上がってくるような場合、胃酸が多すぎる可能性が高く、苦いものが胃から上がってきてげっぷを繰り返すような場合は胃酸が少なすぎる可能性が高いそうです。
胃薬について
病院に行くほどでもないと思い、常備薬や薬局の胃薬を服用する場合は間違って効果の違う胃薬を選ばないように注意が必要です。
胃酸が少なすぎる胃もたれや胃酸が多すぎる胸焼けでは飲む薬の種類が変わってきます。
- 胃の活動に元気がない、胃酸過少の胃もたれの時は胃酸を抑える薬は×
- 胃の活動が元気すぎ、胃酸過多の胸焼けでは胃酸を抑える薬は○
胃酸が多すぎる胸焼けの場合は胃酸の分泌を抑える胃薬。
H2ブロッカー ロートエキスなど
胃酸過少でおこる胃もたれの場合は、胃酸の分泌を促し消化を助ける胃薬。
健胃薬 消化薬など
人によっては胃酸過多なのにもたれた感じがしたり、逆に胃酸が足りないのに痛くなったり焼けたりする人もいるので、もちろん薬剤師さんの指示に従うのが懸命ですが、迷ったら1つで両方の症状に効く「複合胃腸薬」という胃薬もあるようです。