脳の鍛え方

日常生活で簡単にできる記憶トレーニング

何かを思い出そうとして
「アレだよアレ…」と頭の引き出しを開けようとしても
さっぱり出てこないことがあります。

記憶の片隅にあるのに、いつのまにか回路がプッツリ途絶えているようで、思い出すまでにかかる時間もだんだん長くなっているかも知れません。

年齢と記憶力には関係がある?

加齢とともに記憶力が衰えてくると言いますが、たしかに年齢とともに脳細胞は徐々に減っていくようです。ですが、自然減よりも最近の傾向としてスマホやパソコン、ネットなどのテクノロジー依存にも原因があるそうです。記憶が外部に置き換えられるようになり、あまり記憶にアクセスする部分を使わなくなった結果弱ってしまうということです。

 

「アレなんだったっけかな・・?」

と、思い出すまで考えこむ、なんてことは確かにあまりしなくなりました。

記憶を頼りに断片を絞り出せたら、
Googleで検索するかSNSで聞いてみる、新しい方法だとスマホに向かって音声認識に尋ねてみる、というようなものもありますが、ネットに頼った方が早くて確実です。

こうなると脳の記憶領域の外部化ですね。

このまま手放して良いものか?とも思いますが、毎回スビードと効率化を優先してしまっています。

携帯電話が出る以前は、電話番号の5つや6つ覚えていられたものですが、アドレス帳に保存してボタンひとつで繋がるようになるとやはり便利ですから、使わない記憶は遠くに霞みます。

 

記憶を思い出すメカニズムは、脳の側頭連合野に蓄えられた記憶を前頭葉に引き出す作業です。その間を橋渡ししているシナプスに信号が通わなくなると先が途絶えてしまいます。

ただ、前頭葉は記憶をしているかどうかはわかっている。

「側頭葉の記憶を前頭葉が引き出せなくなる状態、これがど忘れなのだ」
と脳科学者の茂木さんは言っています。

つまり、記憶領域には蓄積された記憶が残っているのです。
しかも、本人が気づかないくらい膨大なビックデータが蓄えられたまま眠っているといいます。

この前頭葉と側頭葉のコミュニケーション不足を解消することが記憶力を向上させるヒントになります。

 

脳を鍛えるトレーニング

茂木さんがTV番組で行なっていた記憶トレーニングです。
以下のような過去のことを思い出していきます。

  • 初恋の人の名前は?
  • 一昨日のお昼ご飯は?
  • 1週間前のお昼ご飯は?

記憶は感情を強く伴う場合残りやすいそうです。初恋の人の名前がそれに当たります。 これをエピソード記憶というそうですが、初恋が早いとちょっと微妙ですね。

昨日の食事はなんとか思い出せますが、一週間前の食事となると、なにか取っ掛かりがないと思いだせません。ですが、この思い出そうとする作業が脳のトレーニングになるそうです。

 

その他、日常生活で簡単にできる脳の鍛え方として
誰でも行うことができる3つの方法が紹介されていました。

1.雑談を楽しむ

夫婦生活が長くなるとだんだん雑談をしなくなります。これがあまり脳によくない。 「うん」とか「ああ..」だけでなく雑談で記憶回路をフル回転させることが脳を若く保つ秘訣だそうです。

2.未体験のことに挑戦する

新しいことに身をおくことで脳は楽ができなくなります。チャレンジして脳を鍛える意識を持つことが若返りにつながるようです。

3.もの忘れをしてそのまま諦めない

あきらめないでしつこく思い出すことが大切。
ど忘れしたら脳を鍛えるチャンスだと思って記憶のあちこちをつついてみましょう。

 

諦めずに記憶領域に問い合わせることで再び回路が作られていきます。
そして思い出した瞬間、嬉しい感情とともにドーパミンが放出され、
それが回路をより強化するのだそうです。

嬉しい感情→ドーパミン→回路強化、これは子供の学習にも応用できそうです。